午前0時、魔法が解けるまで。
後ろを見れば先ほどまで私の身体を押さえつけていた男達が2人重なって倒れ込んでいた。
恐らく、逢坂くんが私の背中を踏み付けていた男を投げ飛ばして2人まとめて落としたのだろう。
「お、逢坂くん……!」
「うるせえから遠くからでもすぐわかった。不自然にこの女が扉に張り付いてたから、まさかと思ってな」
逢坂くんは苛立たしげに扉の向こう側の廊下に倒れている美香を一瞥して、掴んでいた男を床に投げ捨てた。