午前0時、魔法が解けるまで。






「優衣!」



肩を強く叩かれ、弾かれるように私は振り向く。由美子が肩で息をして、ものすごい剣幕で私に顔を近づけた。



「砂川は?」


「あ……事務所、呼ばれて……」


「マジか」



私の拙い言葉で全てを察したらしい由美子は前髪をかき上げてくしゃりと握った。


由美子が苛立った時や困った時に見せる癖の一つだ。





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