午前0時、魔法が解けるまで。






「……一つだけ、教えて。」


「なによ」



美香の頬を両手で掴んで、顔を上げさせる。


美香は鼻と目を真っ赤にさせて私を睨みつけるけど、私はそれに負けないようにしっかりと彼女の目を覗き込んだ。



「増田先輩と付き合ったのは、私を苦しめたいってだけだったの?」



静かな講堂に私の声が嫌に反響した。


美香しゃくり上げて、離せと訴えるように私の手首を掴んだ。






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