午前0時、魔法が解けるまで。
自動ドアを一枚隔てた先にICカードをかざす機械があって、慣れない手つきでそれをかざす。
ピ、と小さな電子音のあとに厳重に閉ざされていたドアが開いて私は食い気味に身体を滑り込ませた。
逢坂くんの言っていた通り、ロビーはそれほど広くなく、入って真っ直ぐ行くとエレベーターがあった。
押した感触のわからないボタンに触れると、エレベーターの階数を示す装置が4階あたりで点滅し、3階、2階と光の位置を変えていく。