午前0時、魔法が解けるまで。






砂川さんに会ったらまず何から話そうか。



そう考えながら、エレベーターから降り、逢坂くんの言葉を思い出して右に向かって走る。


ジャージを着たのなんて何ヶ月ぶりだろう。
身体が軽く感じる。


一番奥の部屋の前に着いて、その勢いのままインターホンを鳴らした。



『はい』



何秒かして、ノイズ混じりに少しだけ疲れているような彼の声がインターホンのスピーカーから聞こえてきた。







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