午前0時、魔法が解けるまで。







「……す、砂川さん」


「薫でいいよ。昔みたいに」

「薫く、」



私が呼び終える前に後頭部を優しく掴まれて、引き寄せられてまた唇が重なる。

感触を確かめるように、何度も唇が離れては触れる。


突然の行為に私はどう反応したらいいのかわからなくて、手持ち無沙汰で砂川さんの胸にそっと手を添えた。


その手を砂川さんが絡めとって、今度は指先に唇を落とされた。






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