午前0時、魔法が解けるまで。







「泣き虫なところも変わってないんですね」



幼い頃から優しくて、花が咲けば微笑んで、花が散れば涙を流す。

そんな人だ、砂川さんは。



「……幻滅した?」



不安そうに砂川さんが言うから、私はちょっとおかしくなってくすりと笑った。



「全然。そんな砂川さんだから、記憶がない間も惹かれていたのかもしれませんね」



私がそう言い終わると、唇にあたたかいものが触れていた。







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