午前0時、魔法が解けるまで。






「うっ……」



話題の砂川薫の久しぶりの登校で彼に注目していたらしい学生の視線が一気に私の身体に浴びせられる。



「ほら、行ってやんな」



怖気づく私の腕を由美子が引っ張って、私は渋々立ち上がる。とてもひそひそ声が耳に痛い。


パンプスのヒールに気を使いながら段差をゆっくり降りていると、足元に影がかかって私は顔を上げた。






< 315 / 398 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop