午前0時、魔法が解けるまで。






「あの、増田先輩が……女の人と歩いてて……」



女の人の方の髪の長さや背の高さからして、美香ではなかった。

私はそのことに疑問を抱いて口に出すと、薫くんは困ったような微妙な顔をしていた。



「……まだあの人が気になる?」


「え?そんなことは……」



ない。本当にないのだろうか。

薫くんと付き合い始めたからといって私が増田先輩を好きだったことは事実だし、それについて何か解決したわけではないから。







< 340 / 398 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop