楕円の恋。
1章

撃沈

少し冷える秋の夜の部室前。

部活を終えた生徒達がポツポツと帰り始めていた。

私は今井涼奈。

高校1年生。サッカー部のマネージャーをしている。

『片桐先輩!ちょっとこっちまでいいですか?』

私は拳をギュッと握り話しかけた。

『ん?どうした?』

不思議そうな顔をした、先輩が私の後をてくてくとついてくる。

誰もいないところまで連れ出し

『せ、先輩、ずっと好きでした!私と付き合ってください!』

私は、途中しどろもどろになりながらも、今まで心に秘めていた思いを先輩に全てぶつけた。

先輩は驚いた表情の後、気まずそうに目を背けながら、

『、、、、ありがとう。でも、ごめん。俺お前のこと妹にしか見えない。今まで通り選手とマネージャーでいよう。』

撃沈。。。

『わかりました。時間とっちゃってごめんなさい』

私は作り笑いをして、逃げるようにその場を後にした。

落ち葉とともに私の恋も秋風に飛ばされていった。

ショックでその日夜ご飯は喉を通らなかった。
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