楕円の恋。
キーンコーンカーンコーン

お昼。お昼。

私はお弁当を持って圭子ちゃん待つゴールデンシートへ行った。

『お腹減った〜。お弁当お弁当』

圭子ちゃんが楽しそうにお弁当とお菓子を広げる。

『え〜さっきもお菓子食べてたじゃん。太っちゃうよ〜』

あかりちゃんが笑顔でズバッと言う。

『お菓子は別腹、別腹。成長期、成長期。』

圭子ちゃんは全く気にする素振りはない。

私は笑いながらペットボトルの蓋を開け、お茶に口をつけた。

『そうそう。今日朝涼ちゃん影山君と何話してたの?指切りまでしてたみたいだけど?』

あかりちゃんがにっこりわらう。

『ゲホっゲホっ』

私はビックリして咳き込んだ。

『ほぉ〜。その話おばちゃんに話してごらん?』

圭子ちゃんが腕を組みながら悪魔のように笑う。

『えっ。えっ。』

私は目をキョロキョロさせて、挙動不審になった。

あかりちゃんはいつも通りニコニコしている。

『こやつ〜。吐け〜』

圭子ちゃんが私の後ろに回り私の胸を揉み出した。

『ストップ!ストッープ!言う!言うよ!』

私は観念して今日の朝の出来事を話始めた。

『ふ〜ん。そんな事があったんだ』

圭子ちゃんは卵焼きを食べながら言った。

相変わらずあかりちゃんはニコニコしている。

『まさか、あかりちゃんに見られてるとは思ってなかったよ〜』

私は少し恥ずかしくなった。

『だって私の席からそっち丸見えだよ。最近よく話してるなって思ってたの』

あかりちゃんの席は廊下側の真ん中の席だ。

『お二人はどういうご関係なんですか?教えてください』

圭子ちゃんが芸能リポーター風に聞いてきた。

『な、仲のいい友人の1人です。』

私は精一杯ボケて返してみせた。

圭子ちゃんとあかりちゃんは顔を見合わせしばらくして、

『何その返しー!』

圭子ちゃんが手を叩きながら笑う。

あかりちゃんも笑ってくれた。

私も2人を見て照れ笑いをした。
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