楕円の恋。
『セーフ!』

私は少し息を切らしながら席へと座った。

『いつも通りギリギリだな』

後ろの席から声が聞こえた。

私は振り返り。

『間に合えばいいんだよ。』

私は壁に背中をつけ、笑顔で答えた。

あの一件から、影山君とはよく話すようになっていた。

勉強の話とか、部活の話とか、中学の時の話とか。

『あっ、ラグビー部ベスト4なんだってね。すごいね』

『ありがと。ギリギリだったんだけどね』

『ギリギリでも、勝てばいいんだよ。』

私は笑顔で話した。

『じゃあ次の試合勝ったら。決勝応援来てよ』

影山君がさらっと笑顔で言った。

『いいよ〜。頑張って勝ってよ』

『もちろん。絶対勝つよ。約束。』

影山君が笑顔で小指を出して来た。

私はとっさの事でビックリした。

でも、私も笑顔で小指を出した。

『嘘ついたら、針千本飲ますから』

『おぅ。まかしとけ。』

影山君は満々の笑みで言った。

『おーい着席しろー。HR始めるぞー』

担任がガラガラとドアを開け教室へ入って来た。
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