楕円の恋。
『ピーッ!』
審判が高らかに笛を吹く。
相手のキックからスタートした。
やはり、後半も前半と同じで一進一退の攻防が
続いた。
うちの学校が優勢であるとは思っていたが、なかなかトライが取れなかった。
後半も半分くらい過ぎ、
うちの学校が必死に相手の攻撃を防いでいた時
『ピーーーッ』
審判の長い笛が響いた。
その瞬間、
『はぁ〜。』
応援席のいたるところからため息が漏れた。
『このペナルティーの位置まずいなぁ〜。』
前の席のおじさんが手を頭の後ろで組み呟いた。
私は頭の中がハテナになった。
前半から審判の笛は度々鳴っていたので、余計何がまずいのかわからなかった。
『涼ちゃん涼ちゃん。何がまずいの?』
圭子ちゃんが心配そうに聞いてきた。
『ごめん。私もわからない。トライはあの線だから、もうちょっと距離はあるとは思うんだけど』
あかりちゃんも心配そうにこっちを見てきた。
何やら相手の選手が審判と話していた。
『そうだよな〜。普通狙うよな〜』
また前のおじさんが呟いた。
私達の学校の選手がトライの線まで下がって行った。
『ど、どういうこと?』
圭子ちゃんが動揺して聞いてくる。
私も全然わからなかった。
相手の15番がボールを地面に立てた。
私は昨日ケータイで調べたある事を思い出した。
『あっPK!PKだよ!』
PKという文字はよくサッカーで見ていたのですぐ頭に入っていた。
『えっ?じゃあピンチじゃん!』
圭子ちゃんがますます動揺する。
『ど、どうなったら相手の点数なの?ゴールキーパーみたいな人はいないの?』
あかりちゃんも心配そうに聞いてきた。
『あのHみたいなポールの上半分にボールが通ったら3点だよ。多分』
私達は相手のボールが外れるように顔の前で手を組みながら願った。
外れろ〜!
私は心の中で叫んだ。
だが、その願いは無情にも打ち崩された。
楕円のボールが綺麗な弧を描いて、ポールの間を通過していった。
観客席から落胆の声が聞こえた。
電光掲示板は0-3と切り替わった。
『まだ時間あるぞー!!』
『頑張れー!!』
応援席から激が飛んだ。
『頑張れー!!!』
私も無我夢中で叫んでいた。
審判が高らかに笛を吹く。
相手のキックからスタートした。
やはり、後半も前半と同じで一進一退の攻防が
続いた。
うちの学校が優勢であるとは思っていたが、なかなかトライが取れなかった。
後半も半分くらい過ぎ、
うちの学校が必死に相手の攻撃を防いでいた時
『ピーーーッ』
審判の長い笛が響いた。
その瞬間、
『はぁ〜。』
応援席のいたるところからため息が漏れた。
『このペナルティーの位置まずいなぁ〜。』
前の席のおじさんが手を頭の後ろで組み呟いた。
私は頭の中がハテナになった。
前半から審判の笛は度々鳴っていたので、余計何がまずいのかわからなかった。
『涼ちゃん涼ちゃん。何がまずいの?』
圭子ちゃんが心配そうに聞いてきた。
『ごめん。私もわからない。トライはあの線だから、もうちょっと距離はあるとは思うんだけど』
あかりちゃんも心配そうにこっちを見てきた。
何やら相手の選手が審判と話していた。
『そうだよな〜。普通狙うよな〜』
また前のおじさんが呟いた。
私達の学校の選手がトライの線まで下がって行った。
『ど、どういうこと?』
圭子ちゃんが動揺して聞いてくる。
私も全然わからなかった。
相手の15番がボールを地面に立てた。
私は昨日ケータイで調べたある事を思い出した。
『あっPK!PKだよ!』
PKという文字はよくサッカーで見ていたのですぐ頭に入っていた。
『えっ?じゃあピンチじゃん!』
圭子ちゃんがますます動揺する。
『ど、どうなったら相手の点数なの?ゴールキーパーみたいな人はいないの?』
あかりちゃんも心配そうに聞いてきた。
『あのHみたいなポールの上半分にボールが通ったら3点だよ。多分』
私達は相手のボールが外れるように顔の前で手を組みながら願った。
外れろ〜!
私は心の中で叫んだ。
だが、その願いは無情にも打ち崩された。
楕円のボールが綺麗な弧を描いて、ポールの間を通過していった。
観客席から落胆の声が聞こえた。
電光掲示板は0-3と切り替わった。
『まだ時間あるぞー!!』
『頑張れー!!』
応援席から激が飛んだ。
『頑張れー!!!』
私も無我夢中で叫んでいた。