楕円の恋。
私は洗い物を済ませて部室へ戻った。

さっお弁当お弁当。

今日は天気がいいから外で食べよう。

私はバックからお弁当を取り出し、グラウンドへ向かっていった。

ここら辺でいいかな。

私はグラウンドの端にちょこんと座りお弁当を食べ始めた。

爽やかな風。

暖かい太陽。

お弁当がいつもよりも美味しく感じた。

私がお弁当を楽しんでいると

後ろからカチャカチャと足音が聞こえた。

『お弁当美味しい?』

私はハッと振り返るとボールを持った影山君がいた。

『う、うん。美味しい。』

私は口に箸を咥えたまま言った。

『昨日応援ありがと。嬉しかった。』

影山君はニッと笑って言った。

『すごかった!感動した!』

私は素直に感情をぶつけた。

『勝てて良かったよ。もう少しで、針千本の刑だった。』

影山君がボールをクルクル回しながら言う。

『本当だよ。針千本飲んでもらうとこだった』

私が笑顔で返すと、

『隣いい?』

『もちろん』

私は頷いた。

『休憩何時まで?』

『2時。でも、1時半には準備しなきゃ。影山君、ラグビー部昨日試合だったから練習早く終わったんじゃないの?』

『そっか。俺は練習終わるの早かったけど、昨日の試合のビデオ先輩と見返してたんだ。最後の俺の華麗な抜け出しを何度も』

影山君は笑顔で言った。

『うん!最後かっこよかった!』

『ちょっ、そんな直接言われると照れる』

影山君が気まずそうにまたボールをクルクル回した。

『ごめん。でも、本当かっこよかったよ。次も頑張って勝ってね!約束!』

私はすっと右手の小指を出した。

『おぅ任せろ。』

影山君も右手の小指を出してきた。

『嘘ついたら針千本飲〜ます!』

2人で笑いあった。

『じゃあ、俺もうちょっとボール蹴って帰るから』

『私ももうそろそろ行かなきゃ。また明日ね』

影山君はグラウンドの方へ私は部室の方へそれぞれ別れた。
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