楕円の恋。
『じゃあ片桐チームGGダッシュ5本な〜。今井ストップウォッチで時間測って』

悪魔の監督が笑って言う。

やっぱり田中先輩が1番サッカー上手なんだな。

女癖が悪くなかったらいい人なのに。

私はそんな事を考えながらストップウォッチで時間を測り始めた。

片桐先輩チーム全員。5本走り終えた。

さすがの片桐先輩もぐったりして地面に座りこんでいた。

『お疲れちゃん』

さっきの仕返しと言わんばかりに、田中先輩が笑顔で片桐先輩の頭にウォーターボトルの水をかけた。

『水全然足んねぇよ。』

片桐先輩は両手で髪をかきあげて言った。

それを聞くと田中先輩はニヤッと笑い私の足元にあったやかんを持って中の水全部かけた。

『どう?足りた?』

『サンキュー。復活』

2人で笑いあっていた。

私はそんな微笑ましい光景を見ながら私は散らばったボトルを1つ1つ集めてまわった。

『風邪引くなよー。ちゃんとストレッチしろよー。解散。』

監督の一声で長かった1日練習が終わった。
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