楕円の恋。
『気をつけて帰れよー』

『さようならー』

担任の挨拶で今日も学校が終わった。

さっ部活部活。

私はバックに机の中の教科書を詰め込んで部室に向かった。

男子部のマネージャーは着替え場所として男子部マネージャー共有の部室が与えられていた。

『お疲れ様でーす』

『涼ちゃんお疲れ〜』

部室にはラグビー部のマネージャー2年生の智美さんがいた。

智美さんは大人っぽくて美人なお姉さんで私とは真逆の人だ。

こんな人ならすぐ彼氏できるんだろうな。

そんな事を考えてながらぼーっと智美さんを見ていたら。

『何?どうかした?』

智美さんに不思議そうに聞かれた。

『いや、今日もお綺麗だなーって』

私はごまかさず、素直に答えた。

『何!急に!変な事言って』

智美さんはびっくりしていた。

『あはは。すみません。てか、智美さん美人だから彼氏とかいないんですか?』

私は率直な疑問をぶつけた。

『もう!今日涼ちゃんどうしたの?変だよ』

『私昨日好きな人にフラれちゃって、どうやったら彼氏できるか教えて欲しいんです!』

私は後に引けなくなった。

『そうなんだ。辛かったね。よしよし』

智美さんが私の頭をなでて、慰めてくれた。

『私も二ヶ月くらい前に告白したら、フラれちゃった』

智美さんが舌をペロっと出した。

私は意外だった。こんな美人をフッた人はどんな人なんだろう。

私はその人の事が少し気になった。

『他に好きな人がいるからごめんなさい。って』

智美さんは少し悲しそうな表情になった。

『でも、一週間前に別の人に告白されて悩んだけど、オッケーしちゃった』

智美さんはパッと明るい笑顔で右手でピースをした。

『えっそうなんですか!?!?彼氏誰ですかー?』

私は先輩の腕を掴みブンブン振って聞いた。

大好きな先輩の幸せそうな話に私まで幸せな気持ちになった。

『涼ちゃんちょっと痛いよ〜。内緒内緒。じゃあね〜。』

智美さんはそう言い残し、後ろ姿で手を振って、部室を出て言った。

よし。私も頑張ろう!

絶対いい彼氏見つけるんだから!
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