肉食御曹司に迫られて
その夜、親睦会は、ホテルから少し離れた、お洒落な居酒屋で行われていた。
参加人数は、50人ぐらいだろう。結婚式の2次会もできるお店なので、貸切になっている。
「奈々、これだけ沢山人がいたら、二人で隅にいても大丈夫だって。」
結花が周りを見渡していった。
「ほら、あそこいいよ!」
と結花は壁に挟まれた、半個室のようになった、2人掛けのテーブルを指さした。
「そうだね。」
とあくまで、いつものコンシェルジュ用を崩さず、返事をし、席に着いた。
「ごはんとお酒、取りに行こう。元取らなきゃ。」
結花に促され、取りに行く。
バイキングだか、料理はどれも凝っていて、おいしそうだった。
(- せっかく来たんだし、食べよ!)
前菜コーナーのワンスプーンのサーモンのクリーム仕立てや、ローストビーフなど、少しずつ取り、スパークリングワインの辛口を選び、席に戻る。
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