肉食御曹司に迫られて
湊は、マンションの前で奈々を待っていた。
とりあえず、車は置いていこうか…。電車に乗るとか、いつぶりだ?
考えてるうちに、エントランスから、いつもと、雰囲気の違う奈々を見て、思考も視線も止まった。

「お待たせ。」
奈々は、そういうと、少し恥ずかしそうに、車に乗り込んだ。
「…。」
何も言わずに、見ている湊に 、
「やっぱり似合わない…?」
不安そうな、奈々の顔に湊は我に帰り、
「…違う。その逆。雰囲気が違いすぎて、びっくりした。…似合ってる。」
初めて、照れた湊を見て、奈々は勢いよく噴き出した。

「…ありがと。よかった…。」
まだ、笑っている奈々に、
「笑いすぎ。いい加減にしろ。」
「はい、はい、ごめん。」
奈々は、笑うのをやめた。
「奈々、車どこかに置いていこうかと思うんだけど。電車の方が、移動しやすいよな?」
「そうだね。」
< 129 / 191 >

この作品をシェア

pagetop