肉食御曹司に迫られて
「ミナト!今日はおめでとう!」
「アレックス!」
アレックスや、知り合いが次々と声をかける。

父も母も兄、役員達も同様だ。

そして、会も始まり、新会長 樋口正樹の挨拶と、新社長の兄の挨拶、そして、次男で業務提携としての湊の挨拶などがあり、歓談となった。

「湊、高田商事の社長とお嬢さんの百合子さんだ。」
正樹は積極的に、湊に紹介をした。
「初めまして。」
湊と兄の周りには、いつの間にが、自分の娘を嫁に…と人が集まっているようだった。

そこへ、フランス語が聞こえた。
少し離れた父の所だ。
「正樹さん、今日はおめでとうございます。」
「これは、これは。わざわざありがとうございます。」
アミラと、アミラの父の姿があった。
「湊、あとで、こっちにも来なさい。」
周りにいた人々は、
《あのお嬢さんが、本命って噂。湊さんの留学時代からの、お付き合いとか。》

アミラは、湊に近づくと、
「ミナト、決心はついたの?」
可愛らしい顔とは反対に、ズバっと聞き、笑った。
返事のしない湊をよそに、英語で、
「はい、晃、アレックスも久しぶりね。」
とアメリカ式に頬にキスをした。
その様子を、周りにいた、お嬢様達は、呆然と見ていた。

「ねぇ、ミナトのお姫様はどこにいるの?怖気づいて来てないのかしら?」
アミラは、湊と晃を見た。
アレックスも
「ミナト、お姫様いるの?」
と聞いた。
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