肉食御曹司に迫られて
確かに、小さいころから、家柄も外見も恵まれていた為、彼女に困ることはなかった。
ギブ&テイクの関係。そんな付き合いをしてきた。
お互い必要な時に、必要な分だけ時間を作る。
そんな、付き合い方だった。

そのため、自分から興味をもち、近づくことを、恐れているのかもしれない。

しかし、湊は興味を持つと探求心が勝つ。

【今日、昼から時間ができたから、ドライブでもいかない?】
奈々にメッセージを送った。

既読がついてから、10分後、多少悩んだであろう、奈々から返信が来る。

【OK。】

それだけの返事に湊は苦笑した。

【12時には終わると思う。少し遅くなるけど、ランチはそれからでもいい?】

【大丈夫、朝ごはん今からだから、少し遅めが嬉しい。】

【OK、12時に昨日下してもらった場所で待ち合わせでいい?今日は俺が車出すから。】

【大丈夫。車ありがとう。】

そこまで、やり取りをし、起きたときには用意されていた、朝食を急いで口に入れ、スーツに着替え、会社に向かう。
(ー 昨日早く帰ったツケがまわったな。)
休日の誰もいないオフィスに足早に向かい、残務処理を急いだ。

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