肉食御曹司に迫られて
「まだ同罪で大丈夫?」
湊は奈々の瞳を覗き込んで聞いた。
「大丈夫よ。」
奈々は熱っぽい瞳のまま、少し悪戯っぽく笑った。


奈々は、はっきりとした湊への気持ちを感じたが、それを隠し笑った。

(ー ただ、今一緒にいたい。湊に触れたい。触れられたい。)

奈々は、湊の胸に額をそっと付けると、背中にそっと手を回した。
湊も、そんな奈々に答えるように、細い腰を引き寄せ、抱きしめた。

奈々も湊も、これ以上何か聞くことも、伝えることもできなかった。
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