【完】お前しかみてねーよ、最初から。



「…案外こわいね」




入ったものの、

あたりが暗くて気味が悪い。




前を歩いてる爽汰くんは平気そうで。




「うーん俺は普通かな」



「ま、マジですか。さすが…うわっ!?」




突然出てきたお化けにびっくりして、

前にいた爽汰くんの裾を掴んだ。




「ご、ごめん」



「全然いいよ、怖いなら手繋ぐ?」



「い、いやでも…ぎゃっ!!」




また突然出てきたお化け。


おい、タイミングを考えろ。




「…出るまで手繋ごう」




差し出された右手




手繋ぐのは恥ずかしいけど、

とりあえず怖いし……。




「ごめん、ありがとう」




緊張しながら爽汰くんの手を握った。

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