イジワルな副社長に恋してる!
そんな様子を、晃は、ククッと笑い、じゃあそれで…とマスターに言った。
絢香は全て見透かされてる気がしたが、なんとか平静を保った。
「水澤さん、前回のレッスンは猫被ってたんですね。あんなに、いい人を全開にして。」
ついつい、嫌味が出る。
「絢ちゃんこそ、意外に気が強いじゃん。ふんわり、何もわかりません。みたいな感じなのに。」
悪びれもなく言う彼を軽く睨んだ。
「ところで、弾く曲の相談なんですよね?」
と、曲の話になると、途端に真面目な顔になり、晃はカバンから、楽譜を出した。
「この辺りどうかな?と思うんだけど…」
と続けた。
「どういった場で弾くかによりますが…」
楽譜に目を落とす。
水澤さんは、運ばれてきたお酒と夕ご飯代わりと、ナッツとチーズ、そして、バケットをつまむ。
絢香もジントニックを口にした。
(ー お酒は嫌いじゃないけど.一杯目からちょっと重たいな…)
絢香は、少し後悔していた。