イジワルな副社長に恋してる!

いきなり現れたに晃に、絢香は驚いた。
前のカジュアルな装いから一変して、完璧な大人の男の人だった。
濃紺のスーツに身を包み、低い声でナンパ男を威嚇する姿に、時が一瞬止まった。

そして、少し意地悪く言われた言葉に更に驚いた。
(- こないだのレッスンとは、別人…。)


道行く女の子達が、頬を赤らめこちらを見ていた。。
年配の女の人までもが振り返る。

そんなことは、日常茶飯事のように、晃は歩いていた。

「絢ちゃん、ごはん食べたんだよね?お酒は大丈夫?ホントに未成年ってことはないよね?」
すでに、先生と呼ぶのもやめた晃は、また、意地悪く言う。

(- なぜ、この人を天使のような人なんて思ったんだろう。)

「お酒も大丈夫です。こう見えて、25になりました。」
絢香はそういって少し睨み返した。
晃は驚いたようにこちらを見て、
「意外に大人じゃん。」
と笑った。

程なくして、
「ここでいい?」
晃は雰囲気のあるBARに絢香を連れてきた。

2人はカウンター席に通された。
晃はよく来るようで、なにやら、小声でマスターと話していた。

晃は隣に座ると絢香に聞いた。
「何を飲む?甘いの?」

絢香はなんとなく、先生ということもあり、威厳を保ちたくなった。
すぐ、意地を張るのが、絢香だ。

「甘くなくて大丈夫です。ジントニックお願いします!」
と強がった。

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