記憶のないお姫様


その時、霧と目が合う。



霧は少し笑うだけだった。



普通なら叫ぶのにな・・・。



ていうか、目が闇だな。二人とも。



皆も気づいたのか、美都も蒼も息を呑んでいた。



「それじゃあ、席は凛精の近くと、山田の近くだな!」



「お前ら、手ぇ挙げろ!」


窓側の俺らと廊下側の山田が手をあげる。


すると女の奴の目が光った気がした。





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