キミの瞳に
「お前…そんなこと言える立場じゃないだろ」
言葉の出ない私を見兼ねて聖夜君がすかさず朝木君に返事をする。
聖夜君の言葉は正論なはずなのに…
何故か朝木君の表情を見てその言葉に100%頷けるかと聞かれたらきっと私は頷けない気がした。
「春」
聖夜君が私の名前を呼んで、聖夜君の顔が見えるように私の向きを変えた。
「俺と付き合えば?」
聖夜君の突然の言葉に私は固まってしまう。
つ…付き合えばって……
「え………?」
どうして聖夜君が私に…
「俺なら春のこと幸せにしてあげるよ」
聖夜君のその言葉と同時に腕を引っ張られて私の視界が真っ暗になりフワッと柔らかい柔軟剤の匂いが広がった。