運命の人はいかがいたしますか?
第39話 クリスマスプレゼント
 12月24日。世の中はクリスマスイブ。街中が楽しげで華やかだ。

 別に楽しくないわけではなかったが、杏には関係のないイベントだった。

「杏。今日は予定あるのか?」

 春人が珍しく緊張気味に話しかけてきた。

 ははぁ〜ん。女の子にフラれたか何かで春人も一人なんだな。
 イブに同期で居酒屋かぁ。まぁそれもいいかもな…。

 予定ないわ。そう口が動きかけた時に電話が鳴る。

「はい。えぇ…。そうですけど。そうですか分かりました。」

 電話を切ると、居ても立っても居られない様子で春人に謝る。

「ごめん。もう行かなきゃ。」

 春人がショックを受けた顔も見ないまま杏は会社をあとにした。

 電話は宅配業者からで「生ものですので、早急にお引取りをお願いしたいのですが。」という内容だった。

 生もの…。まさかね…。

 そう思いながらも早足になる。神様だって今日がクリスマスイブだって分かってるはず。
 クリスマスプレゼントをくれたってバチは当たらないわよ。きっと。

 アパートに着くと急いで郵便受けをのぞく。不在通知をみて電話をかけるとすぐに持ってきてくれるそうだ。

 そわそわしているとインターホンが鳴った。

「宅配でーす。」

 はいはい。待ってました。長いこと待ってました。

 ドアを開けるとそこには…。
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