団子屋の中でいなり好きですか?(中)
5月の夜に
(お礼に一曲)胸元から横笛をだし吹き始めた。夜空の世界に奏でる笛の音。黄菜子も今までの不安を吹き飛ばす優しい音色。うっとりして、そのまま横になり晴明の横で寝た。(それでは、明日)と博雅は、帰って行った。黄菜子に毛布をかけ晴明も明日に備えて床についた。5月1日、
朝からトントントン、ジューと音がしてきた。その音で目を覚めた晴明。台所に行くと黄菜子が料理を作っていた。(朝から何を作っているの?)晴明が尋ねた。黄菜子は、びっくりして後を振り向いた(おはよう、晴明さん。ビックリしたよ。今ね。夜、宮廷に行く二人の為に粽を、作っているの。朝ごはんは、出来ているから食べてください。)今日の朝ごはんは、ご飯と目玉焼き、青菜のお浸し、芋の味噌汁。一見、シンプルに見える朝食だが、晴明にしては盛りだくさんの朝食だ。晴明が食べ終えた所で、粽が、出来上がった。式の四人に食べてもらう。(初めて食べたが、うまい。)みんなは、声を揃えて言う。青龍だけは、うなずく。
中身は、(もち米、鶏肉、椎茸、人参、栗を入れて蒸しました。)(晴明さん達は、夜渡します。宮廷で食べてください。)晴明は、(わかった。)と言って夜の準備に入った。
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