失礼男の攻略法

また淡い期待をしてしまいそうになっていると

「波木ってさ、響きが嫌いなんだよね。なんかすげー普通の奴っぽくない?だから、周りのやつには名前で呼んでもらってんだよね」

あっけなくテンションを下げられてしまった。このドキドキを返せ、と思っていると、またおかしそうに笑われてしまう。

「そんなんで弁護士やってられてんのがすごいよね」

意味が分からず首をかしげてると

「何考えてるのか、すげー顔にでてるよ。弁護士って、騙し合いみたいなもんじゃないの?」

恥ずかしいところを指摘されてしまう。仕事中に、こんな反応しないよ、とツッコミをいれながらも

「そもそも騙し合いなんかじゃないですからね。私はまっとうにしか勝負しないので」

言い切ると

「そっか。それで負けなしなら、大したもんだ」

さらっと褒められて、嬉しくなる。

もう取り繕うのも面倒になって緩む頬をそのままにしていると、頬杖をついた失礼男に

「かわいいな、千秋」

ふふっと笑われてしまった。
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