失礼男の攻略法

「相変わらず隆太郎君、妹の話になったら、はぐらかしまくってるのに、よく認めたね」

そう言われて苦笑いするしかない。山岸との繋がりを持ちたいと思っている人にとって“山岸の娘”の価値はとっても高いようで、私がどういう人間かなんて知らない癖に、縁談の申込なんかがたくさんあるらしい。

子どもの頃とは違って、周囲の目が気になる、というよりも、そういうことに巻き込まれるのが煩わしくって山岸の娘が私だということを、私の気持ちを尊重してくれている兄も父も隠している。

だから“山岸慎太郎がひた隠しにする深窓の令嬢”なんてふざけた呼ばれ方をしてるんだけど。

「恥ずかしながら、ケンカしてるところを聞かれちゃったんですよ」

もういい大人なのにと思いながら白状すると、声を出して笑う田尻先生。

「だから千秋先生も仮面がはがれかけてたのか」

ちょっとイタズラ気な表情にからかいが見える。本来の私は気も強いし、言葉も悪い。だからこそ弁護士という仕事も向いていると自分では思ってるけど、子どもの頃からつくってきた“おしとやかなお嬢様”という外面の仮面はなかなか外せない。
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