失礼男の攻略法

そんなことがあったなんて忘れていた頃、珍しく所長から呼びだしを受けた。

こんなことなかなかないので、どこかからクレームでも入ったのかと内心ドキドキしていた。一番ありそうなのは、あの失礼男の案件だけど、先方の担当者と打ち合わせを重ねていい感じにまとまりそうなところだ。

一体、なんだろうと思っていってみると・・・

「千秋先生、来週末は何かご予定入られてますか?」

予想外な言葉を掛けられてしまった。

「いえ、いつも通り事務所で作業しようとは思っていたんですが。何か緊急の案件でしょうか?」

土日も出てくる先生が多い中、直接ご自身で担当する案件が限られている所長はお休みのはずだ。なんだろうと首をかしげていると

「こちらに出てこられているなら、ちょうどいい。夕食に付き合ってはもらえないだろうか」

これまた予想外な言葉が。

「ご接待かなにかですか」

事務所に入りたての頃、勉強だと言って所長や田尻先生に取引先企業との会食に連れて行って頂いたことを思い出して聞いてみると

「まぁ、そのようなものです。上のレストランに18時でどうだろうか」

既に時間まで決まってある。
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