失礼男の攻略法
不思議に思って視線を向けると、その瞳も柔らかくて戸惑ってしまう。その戸惑いをごまかすようにグラスの中身を飲み干すと
「ペース早いね」
言いながら、ジェスチャーでもう1杯頼んでくれている。それがすごく自然でスマートだなと思いながら
「ありがとうございます」
素直にお礼の言葉が口をついてでた。
自分でもひどい飲み方だって自覚はあるけど、今日はとことん飲みたい気分。それを咎めるでもなく飲ませてくれるってことは、この失礼男もなかなか空気を読めるのかもしれない。
グルグルとそんなことを考えていると、さっぱりとした笑みを浮かべている失礼男が視界の隅に入った。運ばれてきたグラスに口を付けていると
「前も思ったけど、やっぱりそっちのカッコの方が似合うね」
急に想定外の言葉を掛けられたので反応できなかった。
いきなり何言い出すんだと失礼男を見ると、いつも通りの仕事用スーツを指さされる。