失礼男の攻略法
イラッとして視線を向けると、私とは反対に余裕たっぷりに運ばれてきたグラスを掲げて乾杯のような仕草をしてる。
その姿が妙に色っぽくって、一瞬見とれそうになった自分を否定したくて
「うるさいです。勝手に隣座らないでもらえます?」
悪態をつくと
「いいじゃん。仕事でも関わりあるんだし、ちょっとは交流深めようよ」
なんて言ってくる。
「いやいや。そもそも、私のこと仕事できないって散々な扱いしてたの誰ですか」
半笑いでツッコミをいれると
「あ~、俺思ったことがすぐ口にでちゃうからね~」
一切悪びれる様子もない。
「ああ、ほんと厄日だ・・・・」
思ったことがポロリと口から洩れると
「なに?なんかあったの?」
と聞いてくる声は、さっきまでと違ってちょっと柔らかかった。