ヒカリのように
私は、音羽 陽葵



















「…………っ、」



痛い。


痛い痛い痛い痛い。



「はぁっ……、っ、いっ……」



「はははっ、あははははっ」

狂おしく笑う烏丸。


私の胸元に刺さった刃物からダバダバと溢れる血。





ガチャンッ!!!!






その時、この部屋の扉が開いた。





『陽葵っ!!!?!??』



………みんなの、声だ。




「おいてめぇっ!?」

陸。

そんな怖い顔しないで。

「陽葵に何してんだよ!?」

凪。

課題は、写し終わったの?

「陽葵ちゃん、大丈夫!?」

佑。

笑って。

「ふざけんな!!」

昴。

初めて見る、表情。















「あぁ?なんだお前ら……

あー、陽炎だっけ?ガキが。」


笑っていた烏丸は表情を全て消して言う。


「……っ、はぁっ、」


ダメだ……


意識が…………



「まってみんな、陽葵ちゃんが!!!」


私に気づいた佑が言うとみんなこちらへ来てくれた。


「なんだこれ、監禁じゃないか……」

私の足についている鎖を触る音がする。





「陽葵!しっかりしろ!!
陽葵!!!ひま……………」

























昴のその声がした時には、私の意識はもうなかった。




















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