ヒカリのように



昴を見るが特に変わった様子はなし。

「おーい……」

なんなの…?

私は反応のない昴を無視してみんなについて行こうとすると、手を掴まれた。


わっ……

びっくりした。


「好きだ」


え………?

そして突然の告白にさらに驚いてしまった。


昴をみると、真っ直ぐに私を見ていて。


それに何だか顔が熱くなってしまった。


「高校の時からずっと」



そう言う昴もなんだか赤い。


「結婚しよう」


「そ、そんな急に……」


結婚、なんて。



まだ付き合ってもないのに?


「俺の事、好き?」


私の視線に合わせるように屈む昴。


好き、なんて……

「考えたことないよ………」


だけど、この心臓の音とわけのわからない感情。


この感情が好きだと言うなら……



すると昴は私の手を自分の胸に当てた。




ドクドクドク………



私と、同じ。




「……………好き」




だ。










私の言葉に昴は嬉しそうに笑うと私を優しく抱きしめた。



「気づくのおせーよ。」



「え?」



「鈍いな」



どういうこと?

私はずっと、昴の事が好きだったってこと……?



思い返すけど、そう思ったことはないけど……




けど…………




こんな気持ちになったことは、たくさんある。










< 233 / 234 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop