片翼の運命

彼のことを格好良いと言っていた。でも友達があまり好んでいない。
そんな板挟み状態で、夏菜子のことを考えると少し申し訳なく思う。

「あの人、わたしのこと嫌いなんだと思う」

今度ははっきりと言った。

船川は「そうかね」と返し、夏菜子は「そんなことないでしょ……」と気を遣ってくる。

「ずっと無視されてきたから、そんなの知ってたけど」

「ずっとって、守尾と望月って同じ中学?」

「幼稚園から一緒」

ええええ、と夏菜子が驚いた声を出す。これを誰かに言ったのは初めてだった。

前の子の測定が終わったので、ハンドボールを受け取った。
投げてやる、遠くまで。


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