彼の本性、あたしの秘密
「次はないから」


そう言ってでていくいじめっ子集団たち。


うっざ~


つか化粧濃ゅいっ!



そう思いながらおもむろにケータイを取り出す。


「もう6時かぁ…帰えろ」


そう呟いて、あたしは教室を出た。




昇降口までくると、人影が見えた。

その影がゆっくりとこちらを向く。


「凪…」


あたしはそう呟き、そっと彼の隣に歩み寄った。


「おせーぞ」


「ごめん」



きっとさっきのいじめっ子集団が見たらびっくりするだろう。


クラス一、地味な女と、クラス一、モテる男が二人普通に話している光景を。



これには少しばかりの理由があった。


時は3ヵ月前にさかのぼる…。
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