大切なもの【完結】

止められない─Ikuto

━━ピンポン、ピンポン、ピンポーン



これでもかってぐらい悠貴の家のチャイムをならす。



「なんなんだよ。お前」



出てきた悠貴は思いっきり嫌そうな顔。



「入れて」



悠貴の反応なんかガン無視で家に入る。



「つーか彩香は?」


「やばい。ほんとあれはやばい」


「はー?」



悠貴の言葉なんかあまり頭に入ってこない。



「とりあえず部屋」



そのまま階段をあがってすぐの部屋のドアを開ける。



「自分の家かよ」



ブツブツ言ってついてくる悠貴のことは気にしていられない。



さっき、彩香に対して自制がきかなくなった。
彩香の声が漏れた瞬間、俺なにしてんだ?って我に返った。
まだ、早いかなって。俺だって初めてだし、うまくできるか自信がない。



「で、どーしたんだよ?」


「一瞬自制できなくなりかけたから避難しにきた」


「は?」



俺の言葉に悠貴は怪訝な顔。

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