大切なもの【完結】
「うん。行く」


当然言えるはずもなく。
それだけ答える。


「なんか誰も見つからないし。お昼も食べてないからお腹すいたよー」


香がお腹をさする。


「そういえばあたしも」


何も食べてないんだった。

郁人も食べずにサッカー大丈夫かな。


すぐに考えが郁人になる。


「あ、郁人」


香がグラウンドに着くなりそう言う。


「...うん」


あたしもに気づいてた。
でも、香の前でそれが言えなくて。


「郁人ー!」


あたしの隣で香が大きく郁人に手を振る。


「香」


郁人も香に手を振る。


「俺にはなしかよ」


翔が膨れる。


「拗ねないのー。ねぇ、彩香」


「ね。頑張って」


あたしは翔に手を振る。


「ありがと」


翔が微笑む。

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