寄生虫
「朝も部活後も練習してるの?」


「あぁ。俺も時々付き合ってるから間違いない。動画だってあるぞ」


京介はそう言い、克哉が1人でコート内のボールを追っている姿を映した動画を見せてくれた。


「自分のプレイを客観的に見たいからって、録画しておくように頼まれたんだ。つい一昨日の事だ」


そう言われて表示されている日時を確認すると、確かに一昨日の日付になっている。


克哉は浮気なんてしていない……。


そうわかると急に体の力が抜けていく。


心配は無駄に終わったのだと言う安心感と、京介をこんな所へ呼び出してしまった恥ずかしさで身が縮こまる。


「よかったぁ……」


あたしがそう言うと、京介はいつものようにあたしの頭をポンッと撫でたのだった。
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