寄生虫
☆☆☆
綺麗な部屋の中では探す場所も限られていた。
真尋や京介に聞くと、克哉の部屋の中には漫画本や雑誌が乱雑に散らばっていて、足の踏み場もなかったそうだ。
それが、12月頃くらいから急に綺麗になり始めたらしい。
部屋の中を調べている内に真尋が机の引き出しから克哉の生徒手帳を見つけた。
メモや予定を書き込むために持ち歩く事はあるけれど、実際に使っている生徒は少なかった。
それが、克哉は12月頃からしっかりと予定を書き込んでいたのだ。
サッカーの試合や練習から始まり、授業内容を書き込んでいる所もある。
「こんなに熱心に……」
真尋が顔をしかめてそう言った。
12月以前のページは落書きをしていたり白紙だったりするのを確認して、生徒手帳を閉じた。
残念ながら、変わるきっかけになるような事は書かれていなかった。
でも……。
あたしは開けっぱなしの引き出しの中に名刺サイズの見慣れたものを見つけた。
それを手にとって確認すると、やはり同じものだとわかった。
「それ、なに?」
そう聞く真尋に「皮膚科の診察券。あたしも同じ所に行ってる」と、返事をした。
「あぁ、そういえば体がかゆいって言ってたな」
京介が後ろから診察券を覗きこんでそう言った。
綺麗な部屋の中では探す場所も限られていた。
真尋や京介に聞くと、克哉の部屋の中には漫画本や雑誌が乱雑に散らばっていて、足の踏み場もなかったそうだ。
それが、12月頃くらいから急に綺麗になり始めたらしい。
部屋の中を調べている内に真尋が机の引き出しから克哉の生徒手帳を見つけた。
メモや予定を書き込むために持ち歩く事はあるけれど、実際に使っている生徒は少なかった。
それが、克哉は12月頃からしっかりと予定を書き込んでいたのだ。
サッカーの試合や練習から始まり、授業内容を書き込んでいる所もある。
「こんなに熱心に……」
真尋が顔をしかめてそう言った。
12月以前のページは落書きをしていたり白紙だったりするのを確認して、生徒手帳を閉じた。
残念ながら、変わるきっかけになるような事は書かれていなかった。
でも……。
あたしは開けっぱなしの引き出しの中に名刺サイズの見慣れたものを見つけた。
それを手にとって確認すると、やはり同じものだとわかった。
「それ、なに?」
そう聞く真尋に「皮膚科の診察券。あたしも同じ所に行ってる」と、返事をした。
「あぁ、そういえば体がかゆいって言ってたな」
京介が後ろから診察券を覗きこんでそう言った。