寄生虫
もちろん、早く帰る必要なんてどこにもなくて、真尋は気を使って京介と2人きりにしてくれたのだ。


それは素直に嬉しいと感じたけれど、京介の存在を意識してしまっている今いつも通り賑やかに会話をすることは難しかった。


今までにあまり感じた事のない、気まずさのある沈黙が下りてくる。


「お、お腹いっぱいだね」


あたしはぎこちない笑顔を浮かべてそう言った。


「あぁ。さすがにもう食べられないし、俺たちも出ようか」


京介がそう言って立ちあがったので、あたしはホッと胸をなで下ろしたのだった。
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