私の存在価値を教えてください
正直言うと、私に予定なんて無かった。

私は、友人を作る気が無い。それに、私は人が苦手だから。

ーー関わっちゃいけない気がするから。

私は、放課後いつも神社に来る。

何故か安心するから。

彼女が言ってた様に今日はすごく天気がいい。

だからすごく流れる風が心地いい。

家に帰りたくなかったので、私は少しの間寝る事にした。



また、夢を見た。

今度はすごく楽しい夢。

私が誰かといっしょに歩いてる。

…誰?

まぁ、夢だし、誰でもいっか。


「ーー原さん」


誰かが呼んでる。嫌だ。この夢をずっと見ていたい。

私も、こんなふうに笑いたい…


「ーー佐原さん」



目を覚ました。

目の前に1人の青年がいた。

「佐原さん…ですよね?起こしてしまってごめんなさいっ!」

なんか、懐かしい感じがする…

「いえ、いいんです。…それより、どうしたんですか?」

目をこすりながら、私は聞く。

「あの、他人がこんな事言うのってアレなんですけど、帰らないんですか?」

「どうしてですか?…もう時間が遅いんですか?」

スマホで時間を確認する。6時だ。別に寝ている人を起こしてまで帰る時間ではない。

「いや、そうじゃなくて…!その…と、とにかく、帰った方がいいと思うんですけど…」

彼がテンパっている。なにか事情があるのだろうか?

けど、帰らなければ失礼な気がしたので、制服を整えて立ち上がった。

「分かりました。起こしてくださり、ありがとうございました。では、私は失礼しますね」

青年に向かってお辞儀をする。

「気をつけてくださいね」

青年は笑ったように見えた。薄暗いから、あんまり表情が見えない。

そうして私は、神社を出て電車に乗り、いつもよりは早い帰宅をした。
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