私の存在価値を教えてください
「おっはよー!柚香ちゃん!すっごくいい天気だねぇ!!!」

教室に入ってくるなり、大声で挨拶してきた。

「おはよ。内山さん。そだね、すごくいい天気」

「だよね!だよね!!こんな日にはやっぱクレープだよね!今日一緒に行かない!?」

この子はクラスメイトの内山桜。よく私に話しかけてくる子だ。

「朝から元気だね。でもごめん。今日は予定があるんだ」

「そっか〜。わかった!じゃあ、今度、一緒に行こうね!」

明るい笑顔で彼女は言った。

「うん」



私の名前は佐原柚香。このクラス、1年C組の超地味…と言うより、誰も寄せ付けないやつの方が正しいかもしれない。

ーー友達なんて、いるだけ無駄だ。

それが私の考えだった。



やっと1日が終わりが近づき、さよならの前のホームルームがやってきた。

ホームルームは順調に進み、最後の先生の明日についての説明がくる。

私の担任の先生、髙田先生は優しい口調で言った。

「昨日から三学期が始まりました。ので、後期の新しい委員を決めないといけないので、今から学級委員の投票を行ないます」

他の委員は明日ね、と先生は付け加える。

教室が少しざわざわした。

チラチラとクラスメイトが見てくる。

私はこのクラスの学級委員の候補に少しあがっているらしい。

ーーどうでもいい。

私はさっさと帰りたいから、前の席から回されて来た紙に適当にクラスメイトの名前を書く。

「じゃあ、その紙は、先生が貰うわ。帰る時に先生の机の上に置いてね。あと、明日の事だけどーー」

先生の明日についての説明は終わり、前期の学級委員が挨拶する。

紙を置いて1番に教室を出る。

「あ、柚香ちゃん、バイバーイ!」

「うん、さよなら」

私は、駆け足で学校を出た。
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