絶対好きにならない
唯翔に言い返してもキリがないと思って、仕方なく消しゴムを貸した。
「サンキュー」
優しく私に笑顔を向ける。
そんな顔されたらなんでも許しちゃう
じゃん・・・
「おい、胡桃」
「な、なに?」
「さっきから呼んでんだけど・・・」
「ご、ごめん」
ぼーっとしちゃってた・・・
おかげで、授業もまともに受けてないし、ノートも取れてないし・・・
しかも、既に黒板消されてるし・・・
「胡桃、サンキュー!消しゴム」
そう言って私の差し出した手に消しゴムを乗せて渡してくれた。
「あとノート。取れてねーだろ?」
「あ、ありがとう」
なんか、優しい・・・なんでかわかんないけど・・・
時々あるよね、唯翔は。
意地悪だって思ったら、急に優しくなって
ってことが。