絶対好きにならない






唯翔に言い返してもキリがないと思って、仕方なく消しゴムを貸した。






「サンキュー」





優しく私に笑顔を向ける。





そんな顔されたらなんでも許しちゃう
じゃん・・・





「おい、胡桃」




「な、なに?」



「さっきから呼んでんだけど・・・」




「ご、ごめん」





ぼーっとしちゃってた・・・




おかげで、授業もまともに受けてないし、ノートも取れてないし・・・




しかも、既に黒板消されてるし・・・





「胡桃、サンキュー!消しゴム」




そう言って私の差し出した手に消しゴムを乗せて渡してくれた。




「あとノート。取れてねーだろ?」





「あ、ありがとう」





なんか、優しい・・・なんでかわかんないけど・・・




時々あるよね、唯翔は。





意地悪だって思ったら、急に優しくなって
ってことが。






< 211 / 381 >

この作品をシェア

pagetop