絶対好きにならない
いつまで経っても、過去を引きずりすぎているのかもしれない。
「私、幼なじみがいて・・・」
「そうなんだ。男?女?」
「男です」
「そっか・・・」
「その幼なじみと一緒によく来ていて」
私の歩くスピードに合わせて一歩一歩ゆっくり足を進めながら話を聞いてくれている。
すごく優しい人なんだよね。
でも、正直に言うと、自分自身のことあまり話したことないし、逆に聞いたこともなくて。
お互いのこと、あまり知らないんだよね・・・
「いいよ、無理に話さなくて」
申し訳なさそうな目で直樹さんは私を見る。