干物ハニーと冷酷ダーリン


編集者6年目。

己の編集者魂を嘆く。


あたしは1人、掃除をして見違えるほど綺麗になった部屋の真ん中でモンモンとしていた。


あの日、そう。
相崎さんの奇襲攻撃をそれは華麗に回避できたその日に突然の辞令とも言える衝撃発言を受けた。


編集者見習いからのやり直し発言。


それはもう、必死になって考えた。


何故?どうして?しかもこのタイミング?

どこでどうストーリー展開をミスした?

相崎さんからの告白を受ける所まで予測は出来ていた。



はず、なのに。敏腕編集長、水城さんの展開ではそうではなかったらしい。



あの後、すぐに帰宅しプロットからコマフリ、その後の展開などを書き起こし編集者としてそれを読んでみた。



なにこれ、ちょっと萌えキュンストーリーじゃん。


なんて完成した原稿を悠長に眺めていた。

すると、どうでしょう。

なんと、恋愛発展フラグが立っていた。


知らず知らず、編集者として女性ウケしそうないい感じにストーリーを運んだら、フラグが立った。


ようやく、ここに来て水城さんの言っていた言葉を理解した。

理解してしまった以上、知らぬ存ぜぬはまかり通らない。

しかし、どうする事も出来ずこの日からとりあえず何もなかったかのように過ごす事に決めた。


だけど、それも長く続ける事も出来なくて今部屋でモンモンとする羽目になってしまったのだ。









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