干物ハニーと冷酷ダーリン
『ああ、川本お疲れ』
あたしの隣のデスクの住人、副編集長の黒崎さん。
「…無事に入稿してきました。………って!大丈夫ですか黒崎さん!」
『…んー?うん。大丈夫』
っと言ってもとても大丈夫そうには見えませんけど。
何だか、老けました?
確か30代半ばでしたよね?
その姿は、もはや老人ですよ。
「寝てないんですか?」
『んー、寝たよ多分。さっきまでの記憶ないし…原稿ないし…連絡つかないし…アハハ』
「あっ、はい…」
黒崎さんが、壊れてる。
あれ、この人。いつからここに居たっけ?
昨日…一昨日?
あれ、その前にも居た気がする。
『おい!川本!』
「はいっ!」
今は、黒崎さんをそっとしておこう。そう思っていると我が編集長水城さんに呼ばれた。