女嫌いと男性恐怖症

 ホッと息をつくと、寂しそうな瞳と目があった。
 それは捨てられた、子犬のような目だった。

 やっぱり、ちんちくりのガキんちょだ。

 そう思うと、やれやれと椅子の背もたれの方に、腕と顎を乗せた。
 背もたれは小さく、ギィーッと音を立てた。

 反対向きに座った晶の長い脚は、ベッドのすぐ側にまで伸びていた。
 遥はその端を、ベッドから出した手でそっとつまむ。

「どこか、行ったりしないですか?」

 不安そうな遥。

「なんだ。まだ俺が、くたばっちまうとでも思ってるのか」

 また不安定なのか。
 理由が、あるか?
 あるような。

 でも、俺は関係ないはずだ。

「アキは、そこで寝るんですか? 眠れなくないですか?」

「ベッドが、占拠されてるからな」

「だから、こっちで寝ましょう。ちゃんと邪魔にならないように、寝ますから」

 邪魔かどうかって、話じゃないんだよ。
 ったく。
< 159 / 291 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop