女嫌いと男性恐怖症

 楽しそうな陽菜に、直樹は興味津々だった。

「陽菜、遥ちゃんになんか言っただろ」

「フフッ。内緒」

「なんだよ。面白いことだろ? 教えろよ」

「おまじないをかけただけ」

 二人がうまく行くようにって。

「でも晶くん。女嫌いよくなったのかしら。そしたら周りの女の子が放っておかないわ。目移りしたりしないわよね?」

「今のままのアキがおもしろ……おっと違った。今のままだからいい奴なんだろ」

 クククッと笑う。

 本心言っちゃってるわよ。まったく。

 スマートで、端整な顔立ちと美しい立ち振る舞い。
 女嫌いの時で、さえ放っておかれない。

 そんな晶くんに遥ちゃんだけ大切にして欲しいなんて、贅沢な希望なのかな。

 そう思うのに、あの晶くんが来るもの拒まずで、女性関係にだらしなくなっちゃったらガッカリしちゃうわね。とも思って苦笑した。
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